自転車とランニングでは何故スピードの単位が異なるのか??意外と深いその背景!!

自転車とランニング、どちらもレースでは速さを競うものですが、何故かスピードの「単位」が異なります。そういうもんだと言ったらそれまでなんですが😑、個人的に気になる点だったので、少し考察してみたいと思います。

Left Caption
実は、こんな所にも両競技の特性が表れています。

自転車のスピード「単位」

自転車(ロードバイク)の速さは通常「時速○キロ」で語られます。普通ですね😅。(自動)車だって時速で語りますし、桜の花びらは秒速(5センチメートル)ですし、我々の日常生活の中で速さってのは、とある時間内(時・分・秒)で移動する距離で語られるのが普通です。

ただ、自転車の場合外部要因(風・道(斜度)等)に速度が大きく左右されます。同じ道を同じ人が走っても、風向きが異なれば時速が10キロ以上違うことは普通にあります

ゆえに、速度を誇るのはあまり意味がありません。「この前、時速50キロ巡航した!」と言っても、すっごい追い風なら私でも楽々出せますし、下り坂なら(ペダル回さなくても)誰でも出せます。強烈な逆風の中の出来事なら凄いですが。

もし、その人の凄さを数値化するとしたらワット(出力パワー)で語るのが普通です。

ランニングのスピード「単位」

こちらの方が変わり種ですね。ランニングのスピードは「キロ○分」で語られるのが主流です。要は1km進むのに、どの位(何分何秒)かかるのかという考え方ですね。

距離やレベルによりますが、フルマラソンの世界トップクラスは「キロ3分」前後、ローカル大会の入賞者クラスで「キロ3分30秒」、私の場合は、せいぜい「キロ4分」位でしょうか。

ちなみに、キロ4分というのは、時速にすると15キロ位ということになります。キロ3分だと時速20キロ位です。ロードバイクでの時速20キロというのは鼻歌交じりのお散歩程度の負荷ですが、ランニングの時速20キロは↓こんなレベルです😳

早っ!!

中学校で、普通よりも少し遅い男子の100m走位のイメージでしょうか?これを2時間以上続けるって、本当信じられないです。出せないスピードではないですけど、自分はせいぜい数分間しか維持できません😰そして吐きそうになります😖。

何故単位が異なるの?

誰が決めた訳でもないでしょうが、次のような理由があるのではないでしょうか。

レースの開催形態の違い

ランニング競技は距離が固定されます(フルマラソン、ハーフマラソン、10km、5km等)。そして、距離が固定されているということは、その距離をどの位の時間(キロ○分×レース距離)で走れるかという考え方が有効(簡単)ですので、納得できます。

一方のロードレースは、レースや日(ステージ)毎に距離が違うことが普通ですので、あまり距離基点の考え方が馴染みません。(今年のツールと去年のツールはコースが違いますし、同じ年のツールでもTTと山岳コースではほぼ別競技と言っても良いコース設計です。)

Aさんはツール・ド・北海道を5時間で完走、Bさんはツール・ド・沖縄を6時間で完走と聞いても、これだけではどちらがローディーとしての地力が上かは全く分かりません。距離や風向き、レース展開が異なるレースでは単純なタイムは意味を為しません。

一方でAさん北海道マラソン5時間、Bさん沖縄マラソン6時間では、よほどの好悪条件が揃わない限り、Aさんの方がランナーとして走力が上であろうという推察はできます。距離は同一、アップダウンも一定の範囲内、そしてドラフティング(周囲の影響)が比較的少ないからです。

速度測定アイテムの違い

ランニングは(自転車に比べると)距離が短いケースが多く、距離表示も1キロ毎にあったりします。

GPSウォッチがない中で(今では多くの人が持ってますが、20年前に持ってる人なんて極一部だったのですから)自分のスピードを図るのは、1キロ前と今の時間差=「キロ○分」が便利です

一方で、自転車は比較的早くからサイクルコンピューターが導入されました。乗り手に関わらず、車輪の一回転は同じ長さですから、回転数から速さを割り出すことが簡単にできたわけです。こんな所も要因の一つでしょう。

競技の特性

もっと言うと、ランニングのキロ○分という考え方自体が、目標タイムを総距離で割って算出するものと言えます。要はペースを事前に計算して、極力平坦にするという目論見が表れています。

勿論レベルが高いレースでは、ペース変化によって駆け引きをする場面が見受けられますが、中級者までのレベルで極端にペースを変えるのを良しとする人を私は見たことはありません。寧ろ教科書的なアドバイスとしては「他人のペースに惑わされるな。自分の想定ペースを保て。」です。

バイクの場合、空気抵抗(前に風除けがあるかどうか)で速度が全く異なるわけですから、速度ベースのペース配分はあまり意味を成しません。(もしペース配分をするならば、出力(ワット)、心拍数あたりを基準にする方が有効です。)そして教科書的なアドバイスとしては「他人がペースを上げたら、(相手を風除けにして)後ろに付いていけ。」です。

同じ持久系競技ですが、”速さ”の単位からも作戦というか戦術も透けて見えますね。

Right Caption
ペンギンの泳ぐ速度は大体時速7,8キロ。人間のプロスイマーと良い勝負だよ!